美容室の店舗運営は様々な会社の経営と同じです。必然的に経営者やオーナーとして事業安定化や企業成長を考える際には、現状の経営課題や問題点と向き合った上でどのような改善策や解決策が適しているのか考えて実践しなければなりません。
美容室を運営していく上で検討すべきリスクや問題は様々にありますが、ここでは一般的に美容室のオーナーが向き合わなければならない経営課題についてご紹介します。まずは基本的なポイントを押さえておきましょう。
美容室を含めてあらゆる会社や店舗において、事業を営む上で支払う経費や費用と、事業によって得られる売上や収入のバランスを健全に維持することは最重要課題の1つです。
そもそも支出が増えすぎて収入を上回った場合、その美容室は赤字経営を続けてしまうことになり、キャッシュフローが悪化して事業そのものの存続も難しくなります。そのためキャッシュフローの健全化には収支のバランスを考えた上で、コスト削減と売上アップの両面を目指さなければなりません。
美容室は美容師が顧客を迎えてサービスを提供する場所です。根本的に美容師の人数やサービス対応力といったキャパシティを超えて顧客を呼び込み、売上を増やすことはできません。そのため美容室の長期的な経営安定化には、スキルや魅力を備えた美容師の人材確保だけでなく、新しく採用した人材を育成して能力を伸ばす方法を同時に考えることが必要です。
そもそも美容師の中には独立志向を抱いている人も多く、現在の所属店舗を未来に向けたステップアップやスキルアップの場所と考えているケースは少なくありません。そのような事業特性がある中で、そもそも美容師の帰属意識が低下したり、店舗に対する不満が高まって離職率が増加したりすれば、いよいよ安定的な経営は難しくなります。
美容室には様々な経営課題が存在し、さらに地域特性や来店するターゲット層などによっても考えるべき解決策や改善策は変わります。ここでは美容室として最初に意識すべき経営課題の解決策について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
大前提として、基本的に美容室は来店してくれる顧客がいなければ経営が成り立ちません。企業専属の美容室として、ヘアメイクや着付けといったサービスを受託する場合もありますが、それでも美容室の経営基盤は日々の顧客です。
そのため積極的なプロモーション戦略によって集客力を高めて、新規顧客の流入を目指すことが重要です。また来店してくれた顧客がリピーターとして定着してくれるように顧客満足度の向上も目指しましょう。
新規客やリピーター客の獲得は一朝一夕で叶うものではありません。直接的な経営改善の方法としてサービス料金の値上げをはじめとする客単価の向上を検討することもポイントです。また近年は物価高騰が続いており、収支バランスを考える中でやむを得ず値上げするケースもあるでしょう。
ただし、単に値上げをするだけでは顧客離れにつながってしまいかねません。値上げを納得してもらえるようサービス品質の強化にも取り組む姿勢が重要です。
美容室ではヘアケア商品やコスメグッズといった物品販売も重要な収入源です。そのためコストパフォーマンスに配慮した商品開発やオリジナリティのある宣伝戦略を検討。経営課題の改善・解決において物品販売にも積極的に取り組んでいくことはカギになってくるでしょう。
美容師やスタッフの離職率を低減して安定したサービス品質を維持するためには、労働条件の改善や雇用条件の見直しといった雇用待遇への配慮も必要でしょう。
また、利用客だけでなく従業員からの評判や口コミが良いものになれば、結果的に新しい人材の採用や魅力的な美容師の獲得につながる可能性もあります。
すでに実力のある美容師を厚遇するだけでなく、経験の浅い美容師やスタッフをきちんと育成することで、美容室の事業基盤を強化することも重要です。また美容師にとっても自身が成長していく実感や手応えを得られれば、モチベーションのアップや店舗への帰属意識の向上にもつながります。
ビヨニュー
編集チーム
個人経営の美容室でも大企業でも、経営者として将来に向けた事業戦略を考えながら現状の経営課題へアプローチしていくという本質的な取り組み方に違いはありません。
美容室を経営していく中で意識すべき課題は多岐に渡ります。オーナーとしてキャッシュフローについて考えるだけでなく、顧客目線に立ったり従業員目線に立ったりしながら多角的な解決策・改善策を考えて美容室の魅力向上を目指すことが大切です。