このページでは、美容室経営が失敗してしまう理由や、美容室の経営破綻、倒産を引き起こしかねないリスクについて解説しています。どのような原因があり、どう対処すべきなのか、自分なりに考える材料としてご活用ください。
美容室の経営破綻や失敗を招く原因には様々な理由があり、要因については断言できません。しかし美容室を経営する上で注意すべきリスクがあることも事実です。
ここでは美容室経営の失敗につながる代表的な要因を5つ、テーマ別にご紹介します。
美容室を経営しようとする上で、経営を続けるための準備資金が足りていないケースは少なくありません。
美容室を新しく開いても、下準備や事前の宣伝・売り込みが成功していない限り、顧客が定着して経営が安定するまでには時間がかかります。入客が安定するまでの間も、店舗の家賃や光熱費、スタッフの給料といった様々な費用が必要です。開店してから黒字に変わるまで、早くても1年はかかると言われています。開店までの資金はある程度に抑えて、最低1年分は運営に困らない程度の資金を確保すると良いでしょう。
特にローンを受けて店舗を開いた場合は、キャッシュフローが破綻して返済が滞れば即座に経営破綻につながる危険性もあります。常に一定以上の余裕をキープできるように準備資金を考えておきましょう。
プロモーションを行う際には、どのような顧客層をターゲットにしたいのか考えて、効果的な媒体を選択することが大切です。プロモーションの媒体にはチラシや雑誌掲載、CMなど様々なものがあり、媒体によっては少なくない費用がかかります。プロモーションに注力しすぎると、キャッシュフローが悪化して倒産のリスクが上昇するので、経費管理はしっかり行いましょう
美容室をオープンしたとしても、開店した店舗の存在を多くの人に知られるよう宣伝しなければ、顧客は増えません。顧客が増えない限り美容室の経営が安定せず、赤字が続くとやがて経営破綻を招きます。
例えばSNS世代をターゲットにする場合、チラシでの広告と同時にInstagramやTikTok、TwitterといったSNSを有効利用すればプロモーションコストを抑えられるかもしれません。関心が高い潜在顧客へ情報発信ができる公式LINEを活用して、割引価格の案内や付加価値を高める情報の発信を積極的に行ってみるのも一つの手段です。
プロモーションをする上でも重要な要素ですが、どのような人を顧客層としてターゲッティングするのか事前に明確化できていなければ、店舗のコンセプトや運営方針を定められません。
ターゲット層の明確化は、美容室の経営者としてどのような人々に接していきたいのか、どのようなスタイルで店舗を運営していきたいのかなど、根本的な経営スタイルや事業プランに直結する重要なポイントです。
広すぎるターゲット層を設定すれば経営方針やコンセプトがあやふやになり、他店との差別化が難しくなります。逆に狭すぎるターゲット層を設定するとターゲット層の人数が少なすぎるために、一定数以上の顧客の獲得が困難になるでしょう。
自分の技術や理想、立地条件なども踏まえて、ターゲット層の選別を慎重に行う必要があります。ターゲット層が複数に跨る場合には、それぞれの属性にあわせたプロモーション戦略を考えるのが理想的です。
人通りが多い通りに面しているような人気の場所に店舗を展開しても、高すぎる家賃を払えなければ経営は途端に破綻します。逆に安い賃料だけを優先して不人気のエリアや、店舗までの道が複雑だったり駅から遠かったりとアクセスが悪い場所に出店すると、入客に影響して売上が伸び悩む原因に。立地環境やエリアのニーズは、店舗のスタイルやコンセプトと密接に関係します。事前の環境調査やエリアニーズの動向チェックを怠らないように気を付けましょう。
人気スタイリストが所属していると嬉しいものですが、特定のスタイリストだけに売上を頼り切るのは危険です。スタイル1人の独立や退職と共に固定客が離れてしまい、途端に経営破綻のリスクが高まります。
スタイリストとして活躍する場合には、個人に顧客が付くように取り組むことも大切です。しかし店舗オーナーや経営者の視点で店の将来を考えた時には、スタッフの入れ替わりがあった場合にも安定した顧客を獲得しなければなりません。お店の魅力や所属スタッフのホスピタリティを高めていくことで、スタッフが入れ替わっても安定した入客がある店舗へと成長します。
美容室の経営が失敗したり破綻したりする原因や理由は様々です。しかし突き詰めていくと、店舗を開業する前に事業戦略や経営プランを立てておらずキャッシュフローのシミュレーションを怠っていたり、ターゲット層に合わせたブランディングや環境選びが不十分だったりと、失敗の種が多数存在しているケースも少なくありません。
美容室の経営スタイルに関わらず、まずは事業プランや店のコンセプトを明確化し、ターゲット層に合わせたプロモーションを行う必要があります。